Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
半七は逆らわずに、黙って煙草をすっていたが、やがてしずかに口をあいた。
「すっかり判りました。ようがす。わたしが出来るだけ調べてあげましょう。如才はあるめえが、当分は誰にも内証にして……」
「いくら自分の子になっているからと云って、角太郎を殺したおかみさんは無事じゃあ済みますまいね。お上できっとかたきを取って下さるでしょうね」と、文字清は念を押した。
「そりゃあ知れたことさ。まあ、なんでもいいから私にまかせてお置きなせえ」
文字清をなだめて帰して、半七はすぐに出る支度をした。お粂はあとに残って義姉のお仙と何かしゃべっていた。
「兄さん。御苦労さまね。まったく和泉屋のおかみさんが悪いんでしょうか」と、半七の出る時にお粂はうしろからささやくように訊いた。
「そりゃあ判らねえ。なんとか手を着けてみようよ」
半七はまっすぐ京橋へ向った。いくら御用聞きでも、何の手がかりも無しにむやみに和泉屋へ乗り込んで詮議立てをするわけには行かなかった。彼は鉄物屋の店さきを素通りして、町内の鳶頭の家をたずねた。鳶頭はあいにく留守だというので、彼はその女房とふた言三言挨拶して別れた。