Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
ともかくも葬式はきのう済みましたから、これから何とか致してその間違いの起った筋道を詮議いたしたいと存じて居るのでございます。その筋道がよく判りませんで、妹が何かの疑いでも受けますようでございますと、妹は気の小さい女ですから、あんまり心配して気違いにでもなり兼ねません。それが不憫でございまして……」と、十右衛門は鼻紙を出して洟をかんだ。
文字清も気違いになりかかっている。和泉屋のおかみさんも気違いになるかも知れないと云う。文字清の話がほんとうであるか、十右衛門の話がいつわりであるか。さすがの半七にも容易に判断がつかなかった。
「芝居の晩にはおまえさんも無論見物に行っておいでになったんでしょうね」と、半七は猪口をおいて訊いた。
「はい。見物して居りました」
「楽屋には大勢詰めていたんでしょうね」
「なにしろ楽屋が狭うございまして、八畳に十人ばかり、離れの四畳半に二人。役者になる者はそれだけでしたが、ほかに手伝いが大勢で、おまけに衣裳やら鬘やらがそこら一ぱいで、足の踏み立てられないような混雑でございました。しかしみんな町人ばかりでございますから、そこに大小などの置いてあろう筈はないのでございます。