Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
三
三
これからどっちへ爪先を向けようかと半七は横町の角に立ち停まって考えていると、たった今別れたばかりのお六がほかの女と二人づれで、その横町からきゃっきゃっと笑いながら出て来た。
「おや、又お目にかかりましたね」と、お六はやはり笑いながら声をかけると、連れの女も黙って会釈した。
「御縁があるね」と、半七も笑った。
お六の連れは十七八のすらりとした女で、これも同じような提重を持っていた。口綿らしい双子の着物の小ざっぱりしたのを着て、結い立てらしい彼女の頭にも紅い絞りの切れが見えた。鼻の低いのをきずにして、大体の目鼻立ちはお六よりも余ほどすぐれていた。
「親分さん。この安ちゃんが朝顔屋敷のお出入りなんですよ」と、お六はからかうように笑いながら、連れの女の背中をたたいた。
「あら、いやだ」と、女も肩をすくめて笑った。
「姐さんは何というんだね」
「安ちゃん……。お安さんというんです」と、お六はその女の手をとって、わざとらしく半七の前に突き出した。「親分さん、ちっと叱ってやってください。惚けてばかりいて仕方がないんですから」
「あら、嘘ばっかり。ほほほほほほ」
いかに人通りの少ない屋敷町でも、往来のまん中で提重の惚気を聴かされては堪らないと、半七も怖毛をふるった。