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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし今の場合、かれも度胸を据えて其の相手にならなければならないと覚悟した。

「なにしろお楽しみだね。で、その惚気の相手というのはやっぱり朝顔屋敷にいるのかえ」

「いるんですとも」と、お六はすぐに引き取って答えた。「お部屋にいる又蔵さんという小粋な兄さんなんですよ」

又蔵という名が半七の胸にひびいた。

「むむ。又蔵か」

「お前さん、御存じですかえ」と、お安は少しきまり悪そうな顔をして訊いた。

「まんざら知らねえこともねえ」と、半七は調子をあわせて云った。「だが、あの男はなかなか道楽者らしいから、欺されねえように用心しねえよ」

「ほんとうにそうですよ」と、お安は真面目になってうなずいた。「この暮には着物をこしらえてやるなんて、好い加減に人を欺くらかしているんですよ。お前さん。節季はもう眼の前につかえているんじゃありませんか。春着をこしらえるなら拵えるように、せめて手付けの一両ぐらいこっちへ預けて置いてくれなけりゃあ、どこの呉服屋へ行ったって話が出来ませんよ。それをあした遣るの、あさって渡すのと口から出任せのちゃらっぽこを云って、好いように人をはぐらかしているんですもの。