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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

蚊帳もそのままに吊ってあって、次の間の四畳半には家主と下女のお村が息を嚥むように黙って坐っていた。半七は家主の顔を見識っているので、すぐに声をかけた。

「お家主さん。どうも飛んだことが出来ましたね」

「ああ、神田の親分でしたか。店中に飛んでもないことが出来しまして……。番太郎に云い付けて早速お届けはして置きましたが、まだ御検視が下りないので、うっかり手を着けることもできません。近所ではいろいろのことを云っているようですが、死に様もあろうに、蛇に巻き殺されたなんて一体どうしたもんでしょうか。なにしろ困ったことが出来ましたよ」と、家主もその処置に困っているらしかった。

「ここらはふだんから蛇の出るところですか」と、半七は訊いた。

「御承知の通り、こんなに人家が建て込んでいるところですから、蛇も蛙も滅多に出るようなことはありません。おまけにここの家は庭といったところで四坪ばかりで、蛇なんぞ棲んでいそうな筈はありませんし、どこから這入って来たのか一向判りません。それですから近所でまあ、いろいろのことを云うんですが……」と、家主の胸にも歌女代の亡霊を描いているらしかった。