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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

併しそんな悪戯はもう時代おくれで、天保以後の江戸の世界には、相当の物種をつかって世間をさわがせて、蔭で手をうって喜んでいるような悠長な人間は少なくなった。したがって、前の説の方が勢力を占めて、これはきっと盗賊の仕業に相違ないということに決められてしまった。

併しその盗賊は判らなかった。その被害者もあらわれて来なかった。疑問の帯は辻番所にひとまず保管されることになって、そのまま二日ばかり経つと、ここにまた思いも寄らない事実が発見された。その帯の持主は、市ヶ谷合羽坂下の酒屋の裏に住んでいるおみよという美しい娘で、おみよは何者にか絞め殺されているのであった。そう判ると、又その評判が大きくなった。

おみよは今年十八で、おちかという阿母と二人で、この裏長屋にしもたや暮しをしていた。長屋といっても、寄付きをあわせて四間ほどの小綺麗な家で、ことに阿母は近所でも評判の綺麗好きというので、格子などはいつもぴかぴか光っていた。併しこの母子が誰の仕送りで、こうして小綺麗に暮しているのか、それは近所の人達にもよく判らなかった。おみよの兄という人が下町のある大店に勤めていて、その兄の方から月々の仕送りを受けているのだと母のおちかは吹聴していたが、その兄らしい人が曾て出入りをしたこともないので、近所ではそれを信用しなかった。