Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
「親分、どうもいけませんよ。あれから毎日張り込んでいるんですけれど、野郎は影も形も見せないんです。草鞋を穿いたんじゃありますめえか」
松吉の報告によると、その古着屋も師匠の家もみな平屋の狭い間取りで、どこにも隠れているような場所がありそうもない。古着屋の店にもおふくろが毎日坐っている。師匠の家でも毎日稽古をしている。ほかには何も変ったことはないと云った。
「師匠の家じゃあ相変わらず稽古をしているんだな。あそこの家の月浚いはいつだ」と、半七は訊いた。
「毎月二十日だそうですが、今月は師匠が風邪を引いたとかいうんで休みましたよ」
「二十日というとおとといだな」と、半七は少しかんがえた。「あの師匠、どんなものを食っている。魚屋も八百屋も出入りするんだろう。この二、三日の間、どんなものを買った」
それは松吉も一々調べていなかったが、自分の知っているだけのことを話した。そうして、おとといの午には近所のうなぎ屋に一人前の泥鰌鍋をあつらえた。きのうの午には魚屋に刺身を作らせたと云った。
「それだけのことが判っていりゃあ申し分はねえじゃあねえか」と、半七は叱るように云った。