Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
「でも仕方がねえ。大根は貴様から起ったことだ」と、平助はなだめた。
それでも又蔵は平助の着服をうすうす察しているので、いろいろの口実を作って後ねだりをしたが、彼よりも役者が一枚上であるだけに、平助は刎ね付けて取り合わなかった。又蔵は忌々しいのと、一方には提重の女からいじめられる苦しさとで、だんだん強面に平助に迫るので、こちらもうるさくなって来た。
「なにしろ長屋でがあがあ云っちゃあ面倒だ。今夜お堀端で逢うことにしよう」
二人は日の暮れるのを合図に堀端で出逢った。その結果はかの掴み合いになったのである。半七はそれから又蔵をだまして近所の小料理屋の二階へ連れ込んで、カマをかけて訊いてみると、又蔵は口惜しまぎれに何もかもべらべらとしゃべってしまった。
「まあ、こういう訳なんでございますから、どうかその思召しで……」と、半七は云った。
「なにしろ奥様も御承知のことですから、あまり荒立てると又面倒でございましょう。なんとかあなたのお取り計らいで、そこを円く済みますように……」
「いや、いろいろ有難うござった」と、角右衛門は夢の醒めたようにほっと息をついた。「それで何もかもわかりました。