Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
ここにあなたの偽物がまいって居りますから、どうか御立ち会いの上で御吟味をねがいとう存じますが……」
はじめの女はいよいよ顔色を変えたが、彼女はもう度胸を据えたらしく、急ににやにや笑い出した。
「親分。お見それ申して相済みません。さっきからどうも唯の人でないらしいと思っていましたが、おまえさんは三河町の親分さんでございましたね。もういけません。頭巾をぬぎましょうよ」
「そんなことだろうと思った」と、半七も笑った。「実は表へまわって見ると、御大名の御屋敷のお迎いが辻駕籠もめずらしい。奥女中の指には撥胝がある。どうもこれじゃあ芝居にならねえ。おめえは一体どこから化けて来たんだ。偽迎いも偽上使もいいが、役者の好い割にゃあ舞台がちっとも栄えねえじゃあねえか」
「どうも恐れ入りました」と、女は頭をすこし下げた。「この芝居はちっとむずかしかろうと思ったんですが、まあ度胸でやってみろという気になって、どうにかこうにか段取りだけは付けて見たんですが、親分に逢っちゃ敵いませんよ。こうなりゃあみんな白状してしまいますがね。わたくしは深川で生まれまして、おふくろは長唄の師匠をしていましたんです」