Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
それが何だか判らないような病気で、きのう亡くなりましたのでございます」
「やれ、やれ、可哀そうに……。どんな小僧さんだかよく覚えていないが、なにしろ十五や十六で死んじゃ気の毒だ。ところで、それがどうかしたんですかえ」
「徳次郎は半月ほど前から、急に口中が腫れふさがりまして口を利くことが出来なくなりました。出入りの医者に手当てをして貰いましたが、だんだん悪くなりますばかりで、よんどころなく駕籠に乗せまして、ひとまず宿へ下げましたのでございます。宿は本所相生町の徳蔵という魚屋で、ふだんから至極実体な人間でございます。ところが、宿へ帰りましてから徳次郎の模様がいよいよ悪くなりまして、とうとうきのうの八ツ頃(午後二時)に息を引き取ったそうで、まことに可哀そうなことを致しました。それもまあ寿命なら致し方ないのでございますが、当人がいよいよ息を引き取ります時、廻らない舌で何か申しましたそうで……」云いかけて、利兵衛はまた躊躇した。
「どんなことを云ったんです」と、半七は追いかけて訊いた。
「それがお前さん。徳次郎が死にぎわに、わたしは店のお此さんに殺されたのだと申したそうで……」