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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

二

まして因縁をつけられて、なんの仔細もなしに其の大金を絞り取られるのは迷惑であろう。利兵衛がどうしたものであろうと相談をかけるのも、所詮は半七の力をかりて、なんとか相手をおさえ付けて貰いたい下心であることはよく判っていた。役目の威光を嵩にきて、金銭上の問題にかかり合うのは、自分の最も嫌うところであるので、唯それだけの相談ならば、半七はなんとか云って断わってしまいたいと思ったが、悲惨の死を遂げた徳次郎という小僧の遺言が嘘かほんとか、又その兄の徳蔵のうしろには誰か糸をあやつっている者があるかないか、それらの秘密を探り出してみたいという念もあったので、彼はしばらく考えた後に利兵衛に訊いた。

「番頭さん。一体あのお此さんという子は、なぜいつまでも独りでいるんですね。いい子だけれども、惜しいことにちっと薹が立ってしまいましたね」

「そうでございますよ」

利兵衛も顔をしかめていた。

二

番頭の説明によると、世間の噂はみな根も葉もないことで、山城屋の娘は単に不運というに過ぎないのであった。

お此はひとり娘であるので、幼い時から親類の男の児を貰って、ゆくゆくは二人を一緒にする心組みであった。