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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

ところが、その男の児はある年の夏、大川へ泳ぎに行って溺死した。それはその児が十四で、お此が十一の年の出来事であったが、それが不運のはじまりで、その後お此と婚礼の約束をしたものは、まだ結納の取りかわせも済まないうちに、どれもみな変死を遂げたのである。それが最初から数えると四人で、しかも最後の男は十九の年に乱心して、自分の家の物置で首をくくって死んだ。こういう不思議な廻りあわせがお此を縁遠くしてしまったので、ほかには何の仔細もない。しかし世間の口はうるさいもので、それらの事情を知っているものはお此には一種の祟りがあると云い、事情を知らないものはお此が轆轤首であるとか、行燈の油をなめるとか云い触らすので、さなきだに縁遠い彼女をいよいよ廃りものにしてしまったのである。

そのなかでも最も多数の人に信じられているのは、彼女が弁天様の申し子であるという説で、弁天娘のあだ名はそれから作られたのであった。山城屋の夫婦はいつまでも子のないのを悲しんで、近所の不忍の弁天堂に三七日のあいだ日参して、初めて儲けたのがお此であった。弁天様から授けられた子であるから、やはり弁天様と同じようにいつまでも独り身でいなければならない。