Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
「後日に苦情のないという一札をこっちへ取って置いて、死骸は今夜火葬になってしまえば、もう何もいざこざは残りませんからね。まあ、おお出来と云っていいでしょう。旦那にもよくそう云ってください。そうして、くどいようだが、当分は隠居所の方へ気のきいた者をやって、娘のからだに間違いのないように気をつけるんですね」
「そう致しますと……」と、利兵衛はひたいに深い皺をよせた。「やっぱり何かお此さんにかかり合いがあるんでございましょうか」
「ありそうですね」と、半七はまじめに云った。「ほかの事と違って、もう詮議のしようがありませんよ。娘をつかまえて吟味をするのはよくないでしょう」
この事件は頗るあいまいで、たしかな急所をつかむのは困難であるが、半七の鑑定はまずこういうのであった。今まで口を利くことの出来なかった徳次郎が、死にぎわにどうして話したか知らないが、かれがお此に殺されたというのはどうも事実であるらしい。芝居でする久松のような美しい小僧は、二十六七になるまで一人寂しく暮している美しい娘と、主従以外の深い親しみをもっていたのではあるまいか。そうして、ほんの詰まらないいたずらが彼を恐ろしい死に導いたのではあるまいか。