Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
はないかという疑いも起ったが、それはすぐに打ち消された。権太郎はその時刻にたしかに自分の店にいたと親方が証明した。ほかにも権太郎が夜なべをしているのを見たという者もあった。いくら悪戯者でも身体が二つない以上、今度の事件を権太郎になすり付けることは出来なかった。その不思議もとうとう要領を得ずに終った。
「夜はもう外へ出るんじゃないよ」
日が暮れると、女や子供はいよいよ表へ出ないことになった。すると、今度は意外の禍いが男の上にも襲いかかって来た。第二の打撃をうけたのは自身番の親方佐兵衛であった。佐兵衛は先ず冬という敵に襲われて、先月の末頃から持病の疝気に悩まされていたが、なにぶんにも此の頃は町内が騒がしくて、毎日のように町役人の寄合いがあるので、彼は出来るだけ我慢して起きていた。それがどうしても堪えられなくなって、昼から温石などで凌いでいたが、日が暮れると夜の寒さが腹に沁み透って来た。かれは痙攣の来る下腹をかかえて炉のそばに唸っていた。
「医者様でも呼んで来ようか」
手下の伝七と長作とが見兼ねて云った。
「まあ、もう少し我慢しようよ」
自身番のおやじや番太郎には金作りが多かった。