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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

二

不思議なことに早く苦しみ出した主人の万兵衛は、さんざん吐いた後は落着いた様子で、佐太郎が息を引取った頃は、起き上がってその容体などを訊ねるくらいに元気づいておりました。

万兵衛の養子の幸吉は、自分で飛んで行って、町内の本道石原全竜をつれて来ましたが、その時はもう手遅れで、佐太郎を助ける道はなく、一応万兵衛の手当をして帰りましたが、

「佐太郎は砒石の中毒だ。石見銀山鼠捕りなんか、酒へでも入っていたのだろう。これは御検屍を受けねばなるまい」

そういい遺した不気味な言葉が、養子の幸吉、番頭の忠助の心持を暗くします。

「全竜先生を追っ駆けるのだ。忠助どん早く、――金で済むなら――家から縄付を出したくない」

主人の万兵衛は、苦しさを忘れて起き上がりました。

二

それから十日、棟梁佐太郎の娘お萩というのが、明神下の銭形平次の家へ、精いっぱいの心持で飛込んで来たのです。

二十歳というにしては、ひどく若く見えるのは、小柄なのと、身扮の派手なのと、それに一生懸命さの興奮のせいでしょう。

お勝手口へ来て、シクシク泣いているのを、平次の女房のお静が見つけて、なだめすかして訊くと、父親が殺されたに違いないのに、食物の中毒で死んだことにされ、町役人も土地の御用聞も、取上げてくれないので、噂に聞いた銭形の親分にすがるつもりで、はるばる