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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

八五郎の意気込みは大変です。この無類のフェミニストは、『一と目千両』の美女のためには、どんなことでもする気でいるのかも知れません。

「行って見ようか、八。そいつは面白そうだ」

「しめたッ」

こんな事件のために、無精者の銭形平次を動かすことは八五郎にしても楽な作業ではありません。

二人は東両国まで、あまり無駄も言わずに急ぎました。薄陽の漏れる正月のある日、巳刻(十時)前の街並は、妙に静まり返って薄寒くさえ感じさせます。

まだ朝のうちで、小屋は開いて居ず、裏へ廻って、

「また邪魔をするよ」

八五郎は親分の平次を案内してズイと通ります。

「おや、親分方。飛んだ御苦労様で」

座頭の小左衛門は、四十前後の練達な町人のような感じの男でした。こんなのが案外の精力家で、凄んだ仕事をするのかもわかりません。

小左衛門の後ろに、人形と人形遣いのように控えたのは、女房のお仲でした。三十五六の食えそうもない大年増で、この一顰一笑が小左衛門に大きな影響を及ぼしそうです。

「お夢は元気かえ」

ガラッ八は自分の肉親ででもあるかのように、気易く言います。

「お蔭様で大した怪我もなくて済みましたが、一座の売物ですから、こんな事が二度あっちゃ叶いません」