Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
「お夢とお鈴は何方が人気があるんだ」
「――一と目千両のお夢が怪我をして、まだ寝て居りますがあの火鉢の落ちた騒ぎの時は、私はもうこの小屋も駄目だと思いました。人気者のお夢が舞台へ出られなくては、客は半分も来ないことだろうと、諦めて居たのでございます。ところがどうでしょう、あの働き者のお鈴が私の心持を察してくれて、歌って踊って、綱渡りをやって、手いっぱいに骨を折ったお蔭で、小屋の人気は落ちるどころか、一と目千両のお夢が元気で舞台へ出ていた頃よりは、この頃の方がぐっと客も多く、木戸の上がりも二三割は殖えて居ります。お夢の方はもう四五日もしたら舞台へ出られることでしょうが、お鈴が出られなくっては、とてもこの人気は繋げません」
小左衛門の愚痴は際限もなくつづくのです。そのあいだ平次はそれを空耳に聴くような甚だ冷淡な恰好で、せっせと土間から舞台へ、楽屋へと調べ続けおります。
綱の先は舞台の上を通って、楽屋の大梁に縛られてあるのですが、その結び目に挟んで業をしたという匕首は、八五郎が土地の下っ引の辰三というのに預けてありました。
匕首というにしては少し大きく、喧嘩刀の小さいのから鍔を取払ったような業物ですが、これだけ特性を持っていると、持主の名前を書いて置くようなもので、囃子方の六助が、夜店をひやかして一分で買い、磨ぎ