Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
お種はこちとらに洟も引っかけちゃくれませんよ。昔はそんな気になったこともありますが」
喜三郎は淋しそうでした。お種の豊満さはひとしきり土地の若い者を夢中にさせたことがあった筈で、朝吉がその怨みと見当をつけたのも無理のないことです。
お種――当のお種はお勝手の方で聞いている様子ですが、朝吉はそんなことはどうでも構いません。
「お前は兵二郎が殺された晩にどこにいたんだ。嘘を言うと承知しないぞ」
朝吉は重ねて訊ねました。
「みんなといっしょにおりました」
「それだけじゃわからねえ、誰の側にいたとか、誰と話していたとか」
「サア」
喜三郎もこれにはグイと詰まりました。なにぶん暗い中、てんやわんやで見当もつきません。
「確かな証拠がなきゃ、お前を引立てる外はない。覚悟をきめて、返答しろ」
朝吉は居丈高でした。この筆法には馴れているのでしょう。
「そう言ったって親分」
喜三郎は泣き出しそうでした。経師屋の次男坊で、兄との仲に姉があったため、いかにも気が弱そうです。
「考えて見ろ。あんな証拠を俺がまともに信用すると思うのか」
「ヘエ」
「白装束なんか、怪談に付きものだ」
「ヘエー」