Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
ともかく、いちおう調べたうえ、諦めて頂くものなら諦めて頂くようにしなきゃなりません」
「尤もなことで、ではまア、此方へ」
主人の徳兵衛は平次と八五郎を引いて、土蔵の前の、人目に遠い小座敷に案内しました。娘のお夏は冷たいほど素気ない挨拶をしたっきり、お茶を運んで来て、あとは顔を見せないのは、八五郎をがっかりさせます。
「何より先に、あのお夏さんというお嬢さんのことを伺いたいのですが」
「飛んだ出過ぎたことをしたそうで、ああいった気性者も親譲りでございます。あの娘の父親と申すのは、立派な御家人でした。良いお役まで付いたのを、私の粗相を庇ってくれたばかりに役目を縮尻り、五年ほど前浪々の身で亡くなりました。その遺言で娘のお夏を引取り、私は娘のようにして育てました」
「若旦那の菊次郎さんとは?」
「親同士の許嫁で、本人もその気でいるようですが、伜の菊次郎は、お夏の気性を嫌って、祝言をする気にもならず、しだいに放埒に身を持ち崩して、飛んだことをいたしてしまいました」
「飛んだ事というのは」
「向島にお銀の茶屋というのがございます。水神の森の中で、花時は大した繁昌ですが、そのお銀と申す、如何わしい女に溺れ、家を外にいたしますので、この春から一と間に押し込め、窮命をさせておりました。