Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えいじつしょうひん

永日小品

夏目 漱石

Lesen Sie 永日小品 (えいじつしょうひん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.000 Zeichen · 100 Bildschirme

Aozora Bunko

袖も手も足も見えない。影は廊下に落ちた日を、するりと抜けるように通った。後から、――

今度は少し低い。真紅の厚い織物を脳天から肩先まで被って、余る背中に筋違の笹の葉の模様を背負っている。胴中にただ一葉、消炭色の中に取り残された緑が見える。それほど笹の模様は大きかった。廊下に置く足よりも大きかった。その足が赤くちらちらと三足ほど動いたら、低いものは、戸口の幅を、音なく行き過ぎた。

第三の頭巾は白と藍の弁慶の格子である。眉廂の下にあらわれた横顔は丸く膨らんでいる。その片頬の真中が林檎の熟したほどに濃い。尻だけ見える茶褐色の眉毛の下が急に落ち込んで、思わざる辺から丸い鼻が膨れた頬を少し乗り越して、先だけ顔の外へ出た。顔から下は一面に黄色い縞で包まれている。長い袖を三寸余も縁に牽いた。これは頭より高い胡麻竹の杖を突いて来た。杖の先には光を帯びた鳥の羽をふさふさと着けて、照る日に輝かした。縁に牽く黄色い縞の、袖らしい裏が、銀のように光ったと思ったらこれも行き過ぎた。

すると、すぐ後から真白な顔があらわれた。額から始まって、平たい頬を塗って、顎から耳の附根まで遡ぼって、壁のように静かである。