Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Lesen Sie 湯島詣 (ゆしまもうで) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.004 Zeichen · 122 Bildschirme
下かた
二十八
まあ、妹だと思っていうから聞きな。」
下かた
二十八
さればぞ思い当る。一月ばかり前の夜、同じこの歌枕で会った時、蝶吉はそれとはなく、頻に子が一人欲しくはないかといったのを、気にも留めないで聞棄にしたが、松の鮨の毒口を、ここで聞正せば実際で、梓は思い懸けず、且つ驚き且つ呆れ、あわれにも情なくも思ったのである。
梓はかつて、蝶吉の仇気ない口から、汐干に行って、騒ぎ歩いて、水を飲んだ、海水は塩ッぱいということを、さも大なる学理を発見したごとくにいうのを聞かせられた。
子供の中悪戯をして叱られると、内を駈出して、近所の馬鹿囃子の中へ紛込んで、チャチャチャッチキチッチッと躍っていると、追駈けて来た者が分らないで黙って見遁しては帰ったが、私の顔は今でもおかめの面に肖ているかといって、尋ねられたこともある。
その気であるから、蝶吉がおもてを歩いて、生意気だと思う奴には突当ってやるというから、何を弱虫、先方が怒ったらどうするといって窘めれば、打たれそうになったら二十五座へ紛込んで、馬鹿囃子を躍ってよ、と真面目でいうのだから耐ない。まさかに今十九にもなって、そうとは信じもすまいけれども、口でいうような幼心は、今もなお残っている。