Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
Lesen Sie 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 156.085 Zeichen · 312 Bildschirme
さて、怪人物のノロノロ自動車は、さびしい方へ、さびしい方へと進んで、しばらくすると、大きな神社の森の中へはいっていきました。
もう、あたりはまっ暗です。森の中には、街灯がごくわずかしかないので、足もとも見わけられないほどです。
「よそうよ。もう帰ろうよ。ぼく、こわいよ。」
ノロちゃんが、井上君の手をひっぱって、だだっ子のように立ちどまってしまいました。
「だめじゃないか。せっかく、ここまできたのに。ここは山の奥じゃないよ。この森の向こうには、にぎやかな東京の町がつづいているんだよ。それに、バッジがぼくらを、まもってくれるから、だいじょうぶだよ。」
井上君は、ノロちゃんの耳に口をつけて、しかるようにささやきました。そのときです。森のやみの中に、やみよりも黒いものが、モヤモヤと動きだすのが見えました。
さすがの井上君も、それを見ると、はっとして、ノロちゃんといっしょに、逃げだそうとしましたが、もうおそかったのです。まっ黒な人かげが、ふたりのうしろにまわって、とおせんぼうをしていました。
うしろだけでなく、前からも、横からも、おなじようなまっ黒な怪物が、せまってくるではありませんか。