Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
Lesen Sie 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 156.085 Zeichen · 312 Bildschirme
その顔のあごは地面についています。すると、巨人のからだは、いったい、どこにあるのでしょう。地面の中に、うずまっているのでしょうか。いや、そうではありません。あとでわかったのですが、この奈良の大仏さまのような巨人は、はらばいに寝そべっていたのです。そして、あごを地面につけて、顔をこちらにむけていたのです。
そのとき、畳一畳ほどの巨大なくちびるが、ガッとひらいて、白い牙のような歯が、むきだしになりました。その歯の一つ一つが、ランドセルほどの大きさです。歯のおくには、黒っぽい巨大な舌が、うねうねと、うごめいています。
すると、やみの中に、にわかに強い風が吹きおこりました。巨人が三人の少年を、口の中へ吸いこもうとしているのです。その息が、風のように強いのです。
三人は、その風に吸いつけられまいとして、ひっしに、がんばりました。しかし、いくらがんばっても三人のからだは、ジリジリと、巨人の口のほうへ近づいていくのです。風ばかりではありません。なにか、目に見えぬ、黒い手のようなものが、うしろから、少年たちのからだを、おしています。それが、グングンおしてくるので、もう、どうすることもできません。