Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

忠義のための嘘と真

まだですよ。じっとなすって。まだですよ」

「ああ!」と照彦様が首をまげた。

「もうすみました。これです」

と藤岡さんは早業をやった。くるみ大のものを切り取ったのである。むろん血が出た。

「ああ!」と照彦様は切ったあとへ薬をぬられた時またうめいた。

「おうがいをなすって」

「まだでます」

「すぐ止まります。お心持ちをお静かになすって」

「臍下丹田ですぞ」と安斉さんは青くなっていた。

「ありがとうございました。大きなものでございますね」

と奥様は血にそまった肉片を見つめた。

「少し大きい方です。ごしんぼうでした。若様、お痛いですか?」

「いいえ」と照彦様は思ったほどでなかった。

「お強いですな。内藤君はもう少しで泣くところでした」

と藤岡さんは如才ない。

忠義のための嘘と真

照彦様は手術がすむとすぐに看護婦にたすけられて病室へはいった。お母様と安斉先生があとに従った。

「若様、いかがでございました?」

と正三君はわれを忘れて元気よく起きあがった。

「内藤さん、あなたもお静かにしていらっしゃらなければいけませんのよ」

と奥様が目くばせをしながら制した。

「では失礼いたします」

と正三君は横になった。