Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
(二六・二・四)
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自然の摂理でしょうか。保元の乱、またすぐ三年後の、平治の大乱などは。
史料をよせて深省してみますと、じつに、そうなる摂理の原因は、一朝一夕のものでなく、たれのため、彼の所為とも、一概にはいいきれません。複雑怪奇という言葉が、昨日の日本にもありましたが、八百年前の人間社会にも、そのまま当てはまるということは、何を意味するものでしょうか。
うみは出、荒療治は、一応、すんだかに見えます。それが平治元年十二月二十六日の激戦から数日の間に帰着してきた兆しです。これで長い藤原貴族政治も終熄し、藤原氏自身の発言権すら稀薄になったかたちです。――が、見のがし得ない必然なものの擡頭をまだ民衆もたれも見抜いていません。
武門の勃興です。前の貴族政策に代って、この新興勢力が、どういうものになるか――です。
おなじ武門といっても、清和、桓武の二系列このかた、大略、源平二氏の武族があり、旗幟も紅白にわかれて、あまねく、ひとつ地上を、ふた色に住んでいます。しかも今、源氏の棟梁源ノ義朝は、中央の争覇にやぶれて、子の悪源太義平や頼朝や数騎の幕僚のみをつれて、やっと血路をひらき、二十六日の夜から朝にかけ、比叡越えから堅田ノ浦を経、東国へさして落ちのびて行きます。