Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
けれどそろそろ冬じたくが要る。炬燵までは用意していない。台所の者は、もう都恋しいのだろう。片づけ物の荷拵えというと皆、元気がいい。百日足らずの山住居でさえ今の都会人はこれだから、建礼門院たちのわびしさなどは、いかにあのころでも、言語に絶するものがあったに違いない。
運送屋来てこほろぎに家明け渡す
自分のわびしさといえば、句にしてもこんな程度である。だが、これも一茶さんには及ばない。いや偽作の方にさえ遠く及ばないようだ。(三一・一〇・一四)
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新春の感は、おめでとうが先に立つ。たれがどういってみたところで平凡になる。だが、年越しとか正月とかは、今更ながらの平凡を改めて感慨してみるところに、むしろ必要と新鮮があるともいえよう。▼年暮は忙しく、正月はくだらなく腹をこわすだけだ。そんな取澄ましをいってもおかしくない年齢へ私もいつか来ている。ところが暦の行事や、世間の色めきを、妙に私は愉しく感じる。そして年々、平凡な感慨に遊ぶ。たとえば、後悔の数々。見ぬ夢のあれこれ。昭和三十二年はどんな年になるだろう? などと。▼今年は明治元年から、ちょうど九十年目になるという。