Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
平家都落ちと木曾の入れ代りなど、一夜のうちだった。
が、第三勢力の伏在とか、中間勢力や人間のうごきにわたって小説構成を企ててみると、その一日でもが、じつに容易なものではない。
一個人の一日だけでも、一篇を成すほどな「物語」をみなその「時代」と結んでいる。終戦後の日本人がみな一人一人、小説になりうる体験をもっていたのとおなじわけだ。
野放図もなく長いこの「新・平家」でも、なおかつ、ここ十数回を費やした源平の革命様相は、とても書き切れていない気がする。
まもなく、頼朝の代官として義経の中央進出、義仲の最期、一ノ谷、屋島と展開が待っているので、ここだけに精写を尽しきれないのである。つい総括的になり、俯瞰的になり、散描になる。つまり、まとまりが悪いことだ。物語小説のむずかしさを、痛感する。
義仲の入洛が七月末、この回は、同年(寿永二年)の閏十月下旬頃。その間、まだ百日も経っていない。
わずかなまに、平家一門は、九州太宰府を落ち、四国へ移り、鎌倉の頼朝も、第三勢力の鋭鋒をあらわし、院の後白河は、義仲、行家の両者をあやつりながら、後鳥羽天皇の践祚を断行されるなど、眼まぐるしいほど複雑である。