Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいねんのしさくのために

青年の思索のために

下村 湖人

Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

真理に生きる

百足虫の悲哀

一

切に御健闘を祈ってやまない。

真理に生きる

百足虫の悲哀

自己を生かす最上の道は、惜みなく自己に死ぬことである。独創とは、しりぞいて小さなおのれを死守することではない。自他を絶した境地にこそ、真に偉大な独創が生れるであろう。

一

細長い棒を地につきさして、それに一ぴきの百足虫を這わせると、百足虫は、まっしぐらに棒の尖端までのぼりつめる。さて、昇りつめて見ると、それからさきは空である。百足虫に、竜のような昇天の霊力がないかぎり、それからうえには、なんとしてものぼれない。

そこで、かれは仕方なしに、道をうしろに求める。ところが、棒が小さすぎて、かれのからだで一ぱいになっているので、自分自身のからだの上を這わないかぎり、どこにも行く道はない。自分のからだの上を這うことは、われわれ人間に出来ないと同じく、百足虫のような細長いからだをもった動物にも、とうてい出来ない芸当なのである。

この場合、思いきって、その百本の足をことごとく棒から放してしまえば、かれは、ひろびろとした大地に落ちるであろう。そしてそこに、かれは自分の欲する道を、いずくへでも自由に求めることが出来るであろう。