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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいねんのしさくのために

青年の思索のために

下村 湖人

Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

法眼と玄則

一

そして、その味わいを一度あじわった上で、あらためてわれわれは、「自己に目覚めよ」、「独自の道を進め」、「独創的であれ」、というような言葉に、とくと耳をかたむけて見たい。その時こそ、これらの言葉は、も早や、エデンの園の蛇の誘惑ではなくて、歓喜と、光明と、力にみちみちた、まことの神の声として聞かれるであろう。

法眼と玄則

物の真相は、我執の塵を払拭し去って、心裏まことに虚しき時にのみ、把握される。魂の飛躍は、さかしき智慧のはからいを捨てて、一心帰命の棄私に徹した時にのみ実現される。かるが故に、自力聖道に生きた永平道元にすら、ただわが身をも心をも放ち忘れ、仏家に投げ入れてこそ、はじめて生命を離るるの分あり、との慈誨があるのである。

一

「監寺を呼べ」

法眼は、いつにない厳しい声で、侍僧に命じた。――法眼というのは、支那唐代に於ける禅門の偉材で、五百人の善知識と伝えられた達人であった。

法眼の会中に、玄則が監寺の役目をつとめることになってから、すでに三年になる。然るに玄則は、まだ一度も、法眼に向って悟りの道を問うたことがない。それどころか、どうかすると、師を凌ぐような振舞さえちらちら見える。