Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
家の者もそれを聴いて驚きました。取分けて主人の増右衛門はかの与茂四郎から注意されたこともありますので、いよいよ胸を痛めて、早速ひとりの番頭に店の者五、六人を付けて、伊助と一緒に出してやりました。画家の文阿も出て行きました。
前にも申上げた通り、わたくしの家には俳諧師の野水と画家の文阿が逗留していまして、野水はそのとき近所へ出ていて、留守でした。文阿は自分の座敷にあてられた八畳の間で絵をかいていました。文阿は文晃の又弟子とかにあたる人で、年は若いが江戸でも相当に名を知られている画家だそうです。
主人は蟹が好きなので、逗留中に百蟹の図をかいてくれと頼んだところが、文阿は自分の未熟の腕前ではどうも百蟹はおぼつかない。せめて十蟹の図をかいてみましょうというので、このあいだからその座敷に閉じ籠って、いろいろの蟹を標本にして一心にかいているのでした。その九匹はもう出来あがって、残りの一匹をかいている最中にこの事件が出来したので、文阿は絵筆をおいて起ちました。
「先生もお出でになるのですか。」と、増右衛門は止めるように言いました。
「はあ。どうも気になりますから。