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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme

Aozora Bunko

ゆうべからゆくえ不明になっている二匹の蟹が、あるいは縁の下に隠れていたのではないかと、大勢が手分けをして詮索しましたが、庭の内にはそれらしい姿を見いだしませんでした。家が大きいので、縁の下はとても探し切れませんでしたから、あるいは奥の方へ逃げ込んでしまったのかも知れません。

今日の我れわれから考えますと、どうもそれは主人と野水の幻覚らしく思われるのですが、一概にそうとも断定のできないのは、ここにまた一つの事件があるのです。前にも申した通り、文阿は十蟹の図をかきかけて出て行ったので、その座敷はそのままになっていたのですが、あとであらためてみると、絵具皿は片端から引っくり返されて、九匹の蟹をかいてある大幅の上には墨や朱や雌黄やいろいろの絵具を散らして、蟹が横這いをしたらしい足跡がいくつも残っていました。してみると、かの二匹の蟹が文阿のあき巣へ忍び込んで、その十蟹の絵絹の上を踏み荒らしたように思われます。

それから一週間ほど過ぎて、文阿と半兵衛の死骸が浮きあがりました。ふたりともに顔や身体の内を何かに啖い取られて、手足や肋の骨があらわれて、実にふた目とは見られない酷たらしい姿になっていたそうです。