Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme

Aozora Bunko

父も庭口から戻って来ました。水や薬をのませて介抱して、母はやがて正気にかえりましたが、その話によると誰かが不意に母の丸髷を引っ掴んで、ぐいぐいと寝床から引摺り出したということです。

「むむう。」と、父は溜息をつきました。「どうも不思議だ。猿の眼はやっぱり青く光っていた。」

わたくしはまたぞっとしました。

あくる日、父は孝平を呼んでその事を話しますと、孝平も青くなって慄えあがりました。こんなものを残しておくのはよくないから、いっそ打毀して焚いてしまおうと父が言いますと、もともと十五銭で買ったものですから、孝平にも異存はありません。父と二人で庭先へ出て、その仮面をいくつにも叩き割って、火をかけてすっかり焼いた上で、その灰は隅田川に流してしまいました。

「それにしても、その古道具屋というのは変な奴ですね。あなたに面を売ったのと同じ人間だかどうだか、念のために調べて見ようじゃありませんか。」

孝平は父を誘い出して、その晩わざわざ山の手まで登って行きましたが、四谷の大通りにそんな古道具屋の夜店は出ていませんでした。ここの処に出ていたと孝平の教えた場所は、丁度かの井田さんの質屋のそばであったので、さすがの父もなんだかいやな心持になったそうです。