Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

Lesen Sie 黒田如水 (くろだじょすい) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.639 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

風を示していた。

政職から名ざしで、

「官兵衛の意見は」

と問われても、

「つねに申し上げている以外、何も事あらためていう意見もございません」

としか答えなかった。

そして、にやにや笑って誰彼のことばを、黙って聞いている。また、ひょいと鋭い眼を向けて、唾をとばしていう者の顔を見つめる。

「これでは埒があかんでしょう」

明け方ごろ、主人の政職へ、就寝をすすめたが、老臣の蔵光正利が眼にかどたてて、

「まだご評議の一決も見ぬうちにお寝みあれとは何事だ。それでも其許は輔佐の任をなしていると思うておるのか」

と、手きびしく決めつけられ、官兵衛は素直に、はいといって俯向いてしまった。

そのうちにいつの間にか、姿が見えなくなったのである。もっとも交代で朝食へ退がってはまた席に回っていたので、彼もそれで立ったものと思われていたが、陽が高くなっても、午ちかくなっても、戻って来ないので、大いに彼の進退を疑う者が出て来たわけである。けれど政職だけは、さすがに若い彼を家老に抜擢したほどだけの知己である。ほかの家来が疑っているような事は毛頭考えてもいないふうだった。

「やあ、ご一同。