Japanische Klassiker mit Furigana
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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Lesen Sie 黒田如水 (くろだじょすい) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.639 Zeichen · 325 Bildschirme
四
「あなたは、兵略のみならず、外交にかけても、人を反らさぬ達人だと思っていましたが、別所賀相を怒らせて帰したなどは、言語道断なご失敗です。ほかとちがい三木城は、勇兵も多く且つ天嶮です。この始末はだいぶ手間どりますぞ」
「仕方がないではないか」と、秀吉も自分の一場の感情に遺憾のあったことは認めたが、決して、これが悪い結果であるとはいわなかった。
「かえって、よかったともいえるな。何となれば、すでにいつか離反の火を噴く危険を孕んでいる三木城なのだ。お汝が上手に口舌で彼等を服させた功はおろそかに思わんが、中国経営の大業が、砂上の楼閣であってはならぬ。そのためにはむしろよいことじゃったよ」
負け惜しみは充分にある。しかし、そう考えるべきが不屈不撓の精神といえるかもしれない。官兵衛も二度とそれに触れないようにした。そしてだんだんに秀吉なる人の長所と共にあらも見えて来るほど、秀吉が自分へ宛てた手紙の内にも書いている、「――お汝はわが弟の小一郎も同様に思うぞ」ということばの真実が身に沁みて来るここちがした。
四
ことばの上では、いかに秀吉が負け惜しみをいっても、三木城離反のために、軍の既定作戦に急角の変化をもって来たことだけは蔽い得ない。