Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

Lesen Sie 黒田如水 (くろだじょすい) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.639 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

二

と、思い遣りを示した。

「ありがとう存じまする」

官兵衛はそういうしか言葉を知らない。信長に対する畏敬はかくて会う度に昂められる気がした。秀吉との親しみと尊敬には「己れを知る者のためには死す」という士心の髄に沁みて来るものがあったが、信長に向っては、「やはり自分の先見は過らなかった。この人こそと仰いだ期待は裏切られていない」という、山へ登って山に失望なく、いよいよ山の美と高さを知るような思いがあった。

とはいえ勿論、山といえば嶮がある。谷がある。信長の気難しさや、測り知れない豹変や、癇癖や我儘や、ずいぶん人間的な短所は官兵衛も承知である。がその事は秀吉が常に仲に立って、よく双方を融和してくれるし、「ああしたご気性」というものを話してくれるので、官兵衛にとっては、寔に気が楽だった。そしてそういう短所が少しも信長の欠点には見えなかった。

二

安土の城内には二日留まっていた。三日目の朝、官兵衛は信長に別辞を告げ、秀吉も質子を連れて、長浜へ帰ることになった。

秀吉と共に来ていた竹中半兵衛が、昨日から松千代の世話を見てくれていた。その半兵衛が別れるに際して、