Japanische Klassiker mit Furigana
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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Lesen Sie 黒田如水 (くろだじょすい) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.639 Zeichen · 325 Bildschirme
二
そしていま議論も尽き果て、さっきから官兵衛の誹謗ばかり並べていた老臣以下の面々は、とたんに黙りこんで、敢て眸もうごかさず、官兵衛が着席する様子をも強いてみな無視していた。
二
主君の座にむかって、官兵衛は一礼した。それから瞼の腫へ掌をあてながら、しきりにそこの熱を気にしているふうだった。
向う側の老臣席の者をはじめ、人々は眼をそろえて、ややしばし官兵衛の一身へ、意地わるげな沈黙を向けていたが、官兵衛もまた洒然と黙りこくっているので、ついに主人小寺政職の一族小川三河守までが、肚にすえかねたような面色をもっていい出した。
「官兵衛どの。大事なご評議を措いて、長いこと、どこへ中座しておられたか」
「や。てまえのことですか」
「ほかにそんな不嗜みの侍はこの席におらぬ」
「休息には参ったが、不嗜みではないつもりですが」
「太鼓櫓へ上がって、悠々昼寝してござったは、誰じゃ」
「頭のつかれを一洗するには、眠るにかぎると承知いたす。君前で居眠りも相成らねば、ほんの寸刻、心身をやすめていました。それもお家の為と信じて」
「ご家老」
こんどは蔵光正利が、老人ながら鋭いことばつきで、横あいから叱責を助けた。