Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Lesen Sie 黒田如水 (くろだじょすい) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.639 Zeichen · 325 Bildschirme
三
その間際にありつつ、よくもそこまで心を用いてくれたぞという、情念からあふれる感激も強い。
「よくいうてくれた。いや、ありがとう、ありがとう。何とかいたそう」
「では。しばしお別れいたしまする」
「行くか、もう」
「少しでも早いほうがよいかと考えられますから」
「ぬかりもあるまいが、油断すな。呉々、身に気をつけよ」
「はい――ご陣所の内も」
「心配すな。留守は」
「天嶮に立籠る敵方と、素裸の陣地にあるお味方とは、ほとんど同数の兵かと見られます、加うるにお味方の兵、地の理に晦く、敵は闇夜でもこの辺の道には迷わぬ地侍です。――それに彼の士気はすこぶる昂まっておるように思われますゆえ、城を突出して、奇襲に出て来るおそれは充分にあるものとご予察ください。とかく長陣には、寄手のほうが飽み易く、油断も生じ易いものでございますゆえ――」
――ふたたび名馬書写山の鞍に回ると、彼は中国山脈の西の背にうすずく陽を馬上に見ながら、平井山の本陣から、万感を胸に、ゆるゆる降りていった。
三
ふもとまで来ると、官兵衛はうしろを振り顧った。
「太兵衛。見送りはここでよい。もう帰れ」
きょう半日、母里太兵衛は、駒について歩いていたので、主人の行く先の、またその胸の、ただならぬことを薄々感づいていた。