Japanische Klassiker mit Furigana
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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Lesen Sie 黒田如水 (くろだじょすい) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.639 Zeichen · 325 Bildschirme
三
――さもなくて何ぞ、村重がただ城内に生かして置こうや。出先の秀吉の軍状にも詳しく、わが織田家の内状にも通じておるために、村重に買われたものだ。策士たる彼奴としては、ありそうな事よ。……」
信長は、自嘲をもって、自身のつぶやきを結んだ。しかし一たん噛みしめていた唇をひらくと、かたわらにいた佐久間右衛門にたいして、こういう酷命を冷やかに下した。
「すぐ、筑前へ書状を遣れ。――かねて筑前にあずけてある官兵衛の質子松千代の首を打ってさし出せ、と」
「かしこまりました」
佐久間信盛も、また平然と主命のまえに頭をさげた。
そのことはさすがに、信盛に一任したが、信長はべつにまた在中国の秀吉にたいして、一通の軍令を口授して、祐筆に書かせていた。
――御着の小寺を攻め、あわせて、姫路城の黒田宗円をも、一挙に揉み潰せ。
という指令であった。
三
高槻城の高山右近と、茨木城の城代中川清秀とは、伊丹を中心とする荒木村重の両翼だった。
大軍を配して山崎から天王山へ本陣をすすめた後、信長は、このふたりを、誘降することに成功した。
高山右近は、熱心な耶蘇教徒であるので、信長は彼の師父オルガンチノを用いて、巧妙に高槻を開城させ、また中川清秀は元々、村重の挙に本心から同意していなかったので、彼もたちまち信長の陣門に来て罪を謝したのである。