Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いーはとーぼのうがっこうのはる

イーハトーボ農学校の春

宮沢 賢治

Lesen Sie イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.726 Zeichen · 120 Bildschirme

Aozora Bunko

「腹減ったら、弁当、先に喰べてろ。風呂敷ば、あの馬さ結付けでおげ。午まになったらまた来るがら。」

「うん。此処に居る。」

そして達二の兄さんは、行ってしまいました。空にはうすい雲がすっかりかかり、太陽は白い鏡のようになって、雲と反対に馳せました。風が出て来て刈られない草は一面に波を立てます。

どうしたのか、牛が俄かに北の方へ馳せ出しました。達二はびっくりして、一生懸命追いかけながら、兄の方に振り向いて叫びました。

「牛ぁ逃げる。牛ぁ逃げる。兄※。牛ぁ逃げる。」

せいの高い草を分けて、どんどん牛が走りました。達二はどこまでも夢中で追いかけました。そのうちに、足が何だか硬張ってきて、自分で走っているのかどうか判らなくなってしまいました。それからまわりがまっ蒼になって、ぐるぐる廻り、とうとう達二は、深い草の中に倒れてしまいました。牛の白い斑が終りにちらっと見えました。

達二は、仰向けになって空を見ました。空がまっ白に光って、ぐるぐる廻り、そのこちらを薄い鼠色の雲が、速く速く走っています。そしてカンカン鳴っています。

達二はやっと起き上って、せかせか息しながら、牛の行った方に歩き出しました。