Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志
吉川 英治
Lesen Sie 三国志 (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.356 Zeichen · 323 Bildschirme
曹操は小首を傾けて、
「天下に智者は多いが、予はまだ、単福などという人間を聞いたことがない。汝らのうちで誰かそれを知る者はいるか」
扈従の群星を見まわして訊ねると、程がひとり呵々と笑いだした。
曹操は視線を彼に向けて、
「程※(「日/立」、第3水準1-85-21)。そちは知っておるのか」
「よく知っています」
「いかなる縁故で」
「すなわち潁上の産ですから」
「その為人は?」
「義胆直心」
「学は?」
「六韜をそらんじ、よく経書を読んでいました」
「能は?」
「この人若年から好んで剣を使い、中平年間の末、人にたのまれて、その仇を討ち、ために詮議にあって、面に炭の粉をぬり、わざと髪を振り乱し、狂者の真似して町を奔っていましたが、ついに奉行所の手に捕わるるも、名を答えず、ために、車の上に縛られて、市に引きだされ――知る者はなきか――と曝し廻るも、みな彼の義心をあわれんで、一人として奉行に訴える者がなかったといわれております」
「うむ、うむ……」
曹操は、聞き入った。非常な興味をもったらしく、程※(「日/立」、第3水準1-85-21)のくちもとを見つめていた。
「――しかもまた、日ごろ交わる彼の朋友たちは、一夜、結束して獄中から彼を助けだして、縄をといて、遠くへ逃がしてやったのです。