Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
京野家へも、時々顔を出すことを忘れなかつた。そして、家じゆうのものに馴れ親んだ。
ことに上の妹の多津は、かねてからの約束どおり、ある日、この少女を雲井秋生の下宿へ連れて行つた。いくらか見どころはあると元気をつけられた百瀬しのぶは、昼間の勤務を終ると、あとの時間を机に向い、夢中で、書いたり、読んだりの日課をつゞけるようになつた。
京野等志は、この百瀬しのぶを通じて、小萩の消息は、小萩からこの娘に送られる自筆らしい手紙によるほかはなかつたのである。そのことを、ある機会にたしかめると、百瀬しのぶは、笑いながら、自分への便りは、気楽に書けるからだろうといつて、その場をつくろつた。
彼は思いきつて、小萩に直接手紙を出してみることにした――
今はもう遠慮をしている時ではないと思い、勇気をふるつて、一筆したゝめます。
あなたの病状、容態は、雲をつかむようで、僕にはよくわからないが、いつたい、軽いのですか、重いのですか。楽観できる性質のものですか、それとも、よほど慎重に考えなければならないものですか? もうすぐ快復の見込はあるのですか。或は、長期療養を覚悟しなければならないのですか。