Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
その間に、京野等志は、弟深志のことで、つまらぬ暇と精力とを浪費した。
なにかというと、それは、ある日のこと、父がいきなり彼に、警察署からの呼び出し状を見せて、
「深志のやつが何かしでかしたらしいんだ。おれは、あゝいう場所へ顔を出すのはいやだ。お前、おれの代理として、行つてみてくれ」
彼はとつさになんのことか見当がつきかねたけれども、家族を呼び出すなら、たいした犯罪事件ではあるまいと思い、
「それやいゝですが、もらい出して、さて、どうしますか」
と、父の気持をさぐるように言つた。
「どうするもこうするもないさ。おれはもちろん、後の責任はもてん。そのことははつきりさせておくといゝ」
「警察で、そうはつきり言うんですか。それや、ちよつと、おかしいですよ。そんなら、行かない方がましだ」
一応、そう反駁はしてみたものゝ、この父に、それ以上理屈は通らぬとあきらめて、彼は、谷中警察署にでかけて行つた。
係りの警官から、こういう処置がとられた理由を一と通り聴きとり、彼はやつと、事の次第が呑みこめた。それは、ある工場のストライキに、デモの応援を頼まれた一団の学生が、警官の制止にも拘わらず、工場の内部へ侵入して建物を毀損したというのである。