Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
「真喜をくれつていうんでしよう。どうして、大笑いなんです」
「おや、兄さん、それを知つてるの? だつて、真喜が帰つてから、お父さんがその話をなさると、あの娘、なんて言つたとお思いだい?」
「真喜がですか? さあ、ちよつと面喰つたでしよう」
「それどころじやないんだよ。いきなり、プッつて、吹き出すんじやないの」
京野等志は、それでだいたい、想像がついた。
翌朝、食卓につくと、真喜はもう、さつぱりと化粧をとゝのえて、なにごともなかつたように、旺盛な食欲を示していた。
多津が、いくぶん寝不足らしい眼を、ときどき妹の方に向けて、洋服地の値段の話などしかけるのを、真喜は、興味がなさそうに、生返事をしている。
父が突然、誰にともなく、こんなことを言い出す――
「縁談の申込みというやつは、これで、なかなか微妙なもんだ。然るべき仲人を立てるのが順序ではあるが、当人がじかに先方の父親なり母親なりにぶつかるというやり方も、時には、ざつくばらんで、面白いことがある。それで成功した例も、珍しくはないが、ちよつと自信がないと、できん芸当だな」
みな、黙つていて、なんの反応もない。