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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

「さあ、それはちよつと……なにしろ、もう、退院の許可が出てるんですから……」

「では、もし所長がおられゝば、所長に直接お話し願つてもいゝのです。どうか、それだけ、所長にお取り次ぎ願います。それから、恐縮ですが、看護婦さんにでも、患者の家の者をこゝへ呼ばせていたゞけませんか」

やがて、看護婦の後について、長久保宇治が、のそのそと廊下を歩いて来た。

「やあ、しばらく……」と、京野等志は、声をかけた。

「おや、誰かと思つた。どうして、こんなところへ……?」

長久保宇治の不審そうな顔へ、

「ちよつと知合いの病人を見舞いに来たら、お宅の奥さんもこゝに入院しておられると聞いて、黙つて帰るわけにいかなくなつたんですよ。どんな具合です? 明日退院するそうじやありませんか? 大丈夫なのかなあ」

と、やつた。

「あ、そう……いや、もうだいぶんいゝんですよ。あんまり長くいるのも、どうかと思つて、退院させることにしました」

当り前なら、聞き流す言葉を、京野等志は、すかさず捉えた。

「だつて、退院は、医者がもういゝつて言つてからで遅くないじやありませんか。今、主治医に聞いた話によると、まだ、そんな状態じやないつていうのに……」