Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
別に無愛想になるわけでもないが、むしろ、わざとらしく、投げやりな調子をみせ、不必要に馴れ馴れしい口を利くのである。
そういうある日のことであつた。彼女は、いつものように、昼の食事を女中に運ばせておき、食後のメロンを自分で持つて来て、そのまゝそこに坐り込み、
「ご退屈でしよう。ほんとに……。ちよつと電話するぐらいなんでもないのに、すぐ無精するんですものねえ……」
と、すこしはだけたセルの襟を、軽くおさえるような手つきで、彼を見あげた。
「結構、自分で時間つぶしをしています。たゞ、こいつを商売として考えると、妙な気がする時がありますよ。不労所得つていうのは、まさにこれかと思うんですがね」
と、彼も、相手に通じるような話にもつていこうとすると、
「それや、そういうことも、たまにあつていゝと思うわ。あたしたち、商売に出てた頃、やつぱり、お座敷以外に、お客さまの懐で、勝手に遊びに行くことあるんですもの」
すこし、それとはわけが違うと思つたけれども、彼は、すまして、
「失礼ですが、商売に出ていらしつたつていうのは、どこですか?」
「あたし? はじめは赤坂、それから、ずつと新橋……つい最近までよ」