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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

それで、まず、僕からお願いしたいことは、お父さんもまだ老いこまれる年じやないんですから、こゝでひとふん張りなすつて、なにか適当な仕事についていたゞくことです。もしそういうお気持があれば、僕からこれと思う人に話して、まあ隠居仕事とでもいうようなポストを探してもらいます。これだけは是非、僕たちのためにも考えてほしいんです」

父は、腕組みをしたまゝ、じつと耳を傾けていた。が、やがて、

「お前の言うことはよくわかる。誰に言われるまでもなく、わしもほんとは、こうしちやいられんのだ。第一、今まで、おめおめ生きているという法はないんだ。実際、ひと思いに自決するぐらいのことは、なんでもない。しかし、それも恥の上塗りだと思うと、つい、心が臆して、今日まで断行できなかつた。いや、お前にも、いろいろ心配をかけたが、なるほど、一家の解体という案は、つい思いつかなんだ。それでわしの父親としての責任が果せるかどうかは別として、お前たちの希望とあれば、やむを得まい。真喜の話は、ゆうべ寝床のなかで聴いていた。多津は、どうする気かな?」

と、言つて、眼のやり場に困つたように、掛軸ひとつかゝつていない床の方を振り返つた。