Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
やがて、長久保宇治がのつそりとはいつて来た。
「昨夜は失礼……ようこそ……」
「お忙しいところをお邪魔かと思いましたが、折角こゝまで来て、お訪ねしないのも残念ですから……」
「いや、その話ですが、あれから帰つて、小萩にあなたのことをいいますとね、ほんとにしないんですよ。明日は見えるかも知れんといつても、そんな筈はない、百瀬さんのところへわざわざなにしに来なすつたんだ、と、まあ、こういつて、なかなか信用せんのですよ。――そりや、なにしにだかわしは知らんが、とにかく、百瀬君のところに来てござることはたしかだ。いまそこで会つて話して来たんだから、間違いはないといつてやつたんですよ。それでもまだ、腑におちんような顔をして、今も、早くご挨拶に出ろというのに、ぐずぐずしとるんです。女ちゆうもんは、疑い深いもんですなあ、わしや驚いた」
「なるほど、そう思われるのは無理もないかも知れません。偶然があんまり重なりすぎると、なんでもないことでも、ちよつと、薄気味がわるくなるもんですよ。ふだん忘れているような奴と、一日に三度、場所をかえてひよつくり出くわしてごらんなさい。そのつぎに、そいつが、またそこにいるといわれても、おいそれと信じられるもんじやありませんよ。