Japanische Klassiker mit Furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Lesen Sie 古寺巡礼 (こじじゅんれい) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.765 Zeichen · 285 Bildschirme
第一、線の感じが非常に違っている。たとえば雲を描いた線がそうである。中尊の乗っている雲は、その柔らかい、ふうわりとした感じを潤いのある鉄線でいきいきと現わしている。しかし童子や観音・勢至などの乗っている雲は、型に堕しかけた線でかなり固く描かれている。二十五菩薩来迎図の雲のようにひどくはないが、しかしその方向に進みかけているという感じがする。衣の線などでも中尊のは含蓄の多い、描こうとするものの性質に忠実な線であるが、両脇のは筆端の遊戯がかなり目に立つ線である。第二に色の感じが違っている。中尊における簡素な調和は左右には認められない。色彩の好みもかなり違うように思う。それは製作者の精神の相違を感ぜしめるほどである。第三は構図の相違である。左右は動いている。中央は静止している。そうしてその静止した弥陀を雲に乗せたまま動かして行こうとする注意はどこにもない。このような統一を欠いた構図が、中尊を描き得た画家の心から生まれようとは思えない。
この三幅に対して右のような感じを抱かない人もあるではあろうが、しかし同感の人も少なくはなかろう。T君は線の感じについて同意見であった。