Japanische Klassiker mit Furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Lesen Sie 古寺巡礼 (こじじゅんれい) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.765 Zeichen · 285 Bildschirme
大きい円天井の建物の中に、大理石を盛んに使って、冷水の池もあれば温湯の浴槽もある。脱衣室もあれば化粧室もある。すべてが美しい柱や彫刻や壁画で飾られている。そのなかで人々は泳いだり、温浴したり、蒸し風呂を取ったり、雑談にふけったり、その他いろいろの娯楽をやる。――しかしローマ人は出藍のほまれがあったというだけで、もともとこの風俗をギリシア人から学んだのである。ところがそのギリシア人も、家の中で風呂にはいるなどということは、東洋人から教わったのであった。しかも初めは戦争や運動のあとで、体の疲れを回復するために使ったに過ぎなかった。それを享楽のためにやっているのは、『オデュッセイア』のなかに奢侈の国として描かれているあの神話的なプァイエーケスの国である。小アジアや南イタリアあたりの植民地が盛んにぜいたくをやるようになると、この風は一般にひろまってしまった。やはりぜいたくや淫蕩の先駆をやるシバリスの市民が蒸し風呂などというものをはやらせた。共同浴の風習も東洋から来たもので、温浴と共にだんだん盛んになった。こんな惰弱な風はよろしくないといって、ヘシオドスやアリストファネスがだいぶやかましく言ったが、だめだった。