Japanische Klassiker mit Furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Lesen Sie 古寺巡礼 (こじじゅんれい) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.765 Zeichen · 285 Bildschirme
彼らは新しい目で人体をながめ、新しい心で人情を感じた。そこに測り難い深さが見いだされた。そこに浄土の象徴があった。そうしてその感動の結晶として、漢の様式をもってする仏像が作り出されたのである。
わたくしは百済観音がシナ人の作だというのではない。百済観音を形成している様式の意義を考えているのである。シナではそれはいくつかの様式のうちの一つであった。しかし日本へくるとこの様式がほとんど決定的な力を持っている。それほど日本人はこの様式の背後にある体験に共鳴したのである。
百済観音の奇妙に神秘的な清浄な感じは、右のごとき素朴な感激を物語っている。あの円い清らかな腕や、楚々として濁りのない滑らかな胸の美しさは、人体の美に慣れた心の所産ではなく、初めて人体に底知れぬ美しさを見いだした驚きの心の所産である。あのかすかに微笑を帯びた、なつかしく優しい、けれども憧憬の結晶のようにほのかな、どことなく気味悪さをさえ伴った顔の表情は、慈悲ということのほかに何事も考えられなくなったういういしい心の、病理的と言っていいほどに烈しい偏執を度外しては考えられない。このことは特に横からながめた時に強く感ぜられる。